Facilities certified by the Minister of Health, Labor and Welfare 厚生労働大臣認定 健康増進施設・指定運動療法施設とは?

健康増進施設認定制度

急速な高齢化と疾病構造の変化(生活習慣病の増大)を踏まえ国では、運動等を通じた健康づくりの対策として昭和62年公衆衛生審議会の意見具申を受けて、医学的基礎知識と運動生理学の知識を有して運動プログラムを提供する「健康運動指導士」の養成を始めました。さらに昭和63年公衆衛生審議会から意見具申「運動を通じて健康づくりを行う施設(健康増進施設)の在り方について」を踏まえて「健康増進施設認定規程」(昭和63年厚生省告示第273号)を定め、健康増進のための運動を安全かつ効果的に行う場として、所定の要件を備えて健康増進施設の認定を行っています。
2023年9月時点で、健康増進施設:337施設、指定運動療法施設:239施設となっています。

1.認定の対象となる施設

健康増進のための運動を安全かつ適切に実施できる施設(運動型健康増進施設)

2.認定を行う者

厚生労働大臣

3.認定期間

10年間(更新可能)

4.認定の要件

  • 1… 有酸素運動及び筋力強化運動等の補強運動が安全に行える設備の配置
  • 2… 体力測定、運動プログラム提供及び応急処置のための設備の配置
  • 3… 健康運動指導士(常勤)及びその他運動指導者等の配置
  • 4… 医療機関と適切な提携関係を有していること
  • 5… 継続的利用者に対する指導を適切に行っていること

5.認定の流れ

Explanation of Certification Regulations 認定規程の解説

(1)設備

1.運動を安全かつ適切に実践するための設備を備えていること

  • 有酸素運動及び筋力強化等の補強運動が安全に行える設備
  • トレーニングジム(主として機器を用いて有酸素運動及び補強運動〈ウェイトトレーニング〉を行う設備)
  • 運動フロア(主として機器を用いずに有酸素運動及び補強運動を行う設備)
    ※運動フロアに該当する設備:スタジオ、多目的室、体育館等
  • プール(遊泳用プール、ウォーキングプール、アクアビクスプール、リハビリプール)
    ※但し、プールはなくてもよい。
  • 準備運動及び整理運動を行う設備があり、ストレッチマット等が敷かれていること
  • 更衣室(鍵付ロッカー等設置)、浴室又はシャワー室
    ※浴室又はシャワー室は施設により、ない場合も可
  • 休憩室(トレーニングジム、運動フロア内兼用可)
  • 24時間営業の運動施設が認定を受ける場合は、「健康増進施設として営業する時間帯において、運動指導を行う者を常時配置すること」、「当該時間帯と施設利用者へわかりやすく周知すること」

※令和4年4月1日厚生労働省では、健康増進施設の普及を図り、更なる国民の健康づくりを推進するべく、健康増進施設の設備要件(面積要件)の見直しをしました。これにより、有酸素運動及び筋力強化等の補強運動が安全に行える設備として「20㎡以上の施設面積を有していること」となりました。
また、健康運動指導士、健康運動実践指導者の指導の下に行われる運動プログラムに基づき適切に運動が行われるのであれば、部位ごとを鍛えるマシンなどが必要ではなく、施設が提供するプログラムや目的に応じて必要な器具を選択して配置して行うことに問題はない。となっています。

(例)有酸素マシン:エルゴメーター又はトレッドミル
   筋力トレーニングマシン:ケーブルやマシンなど上肢用、ケーブルやマシンなど下肢用
   その他、ダンベルやファンクショナルトレーニングで対応

2.身体測定、体力測定及び運動プログラムの提供のために設備を備えていること

  • 身体測定のための設備として身長、体重、体脂肪測定、体力測定のための設備としては、全身持久力、筋力、筋持久力、柔軟性、敏捷性、平衡性を測定するための場所及び機器
  • トレーニングジム(主として機器を用いて有酸素運動及び補強運動〈ウェイトトレーニング〉を行う設備)

3.生活指導を行うための設備を備えていること

  • 運動実践の他に食生活改善指導等の相談、指導サービスの機能を備える設備。

4.応急処置を行うための設備を備えていること

  • 具体的には、ベッド(毛布・枕)、担架、医薬品、骨折応急処置用品等。また、応急時の連絡体系が必要であり、緊急時に速やかに対応できるようにしておく。(ベッドはマットの代用、担架は車椅子の代用も可)

(2)医療機関との提携関係

5.医療機関との適切な提携関係を有していること

  • 利用者が施設で継続的に運動を安全に行えるように、医療機関との提携のもとで、健康状態の把握を行う体制にあること及び救急時等の必要な場合に医療機関から医学的処置又は助言が受けられる体制にあること。

(3)マンパワーの配置

6.健康増進のための運動プログラムを適切に提供する能力を有する者を配置していること

  • 健康運動指導士の常勤配置

健康増進のための安全かつ効果的な運動を実践するために利用者個々人に適切な運動プログラムを作成し運動指導を行うことが必要である。
医学的基礎知識、運動生理学、健康づくりのための運動や食生活の理論、介護予防、メタボリックシンドロームの知識、保健事業の知識等を備えた運動指導者の配置が必要である。

7.体力測定、運動指導、生活指導及び応急手当を行う者を配置していること

  • 体力測定行える者は利用者の求めに応じ、随時配置していることが望ましい。
  • 生活指導を行う者は栄養士、保健師、管理栄養士等の資格を有する者を充てることが望ましい。
    ※配置出来ない場合は健康運動指導士がその業務を担う
  • 応急手当については常勤の指導者の中から責任者を定めておくことが必要である。

(4)運動プログラムの提供、その他

8.継続的利用者に対し、健康状態の把握及び体力測定を適切に行い、これらの結果に基づき運動プログラムを提供すること

  • 利用者の継続的に利用した個人ファイルがあることが望ましい。

9.生活指導を適切に行うこと

  • 個人、集団に対して定期又は利用者の求めに応じて随時生活指導を行っていること。

10.申請施設の利用に係る負担が妥当なものであり、かつ、その利用を著しく制限するものでないこと

  • パンフレット等に記載されている設備やサービスが実際には備わっていない等により利用料金の設定が不適切に設定されていないこと。
  • 職業上の地位等により、利用資格、会員資格について差別的制限を行っていないこと。

11.適切に維持管理されていること

  • 設備の定期的な点検が行われている等、適切な維持管理が行われているとともに、賠償責任保険に加入する等、事故が生じた場合に十分な賠償資力及び対応能力を有していること。

Designated Exercise Therapy Facility System 指定運動療法施設制度

近年、生活習慣病が国民の疾病構造の中心を占める状況にあるが、これらの疾病の治療に対しては、運動療法が一つの有効な手段であることが明らかになってきている。こうしたことから、医師の指示に基づく運動療法を実施する際に必要となる健康増進施設の利用料金について、所得税の医療費控除が適用される。

1.控除の対象

実施される運動療法が次の条件を満たす場合、1回ごとの施設利用料金が控除の対象となる。
なお、付帯設備の利用料金は含まれない。

  • 1… 医師の運動療法処方に基づいて行われるものであること。
  • 2… 概ね週1回以上の頻度で、8週間以上の期間にわたって行われるものであること。
  • 3… 運動療法を行うに適した施設として厚生労働省の指定を受けた施設「指定運動療法施設」で行われるものであること。

2.施設の指定

厚生労働省が指定運動療法施設として指定する際の主な要件

  • 1… 「厚生労働大臣認定健康増進施設」であること。
  • 2… 提携医療機関の担当医が日本医師会の「健康スポーツ医」として認定を受けていること。
  • 3… 運動療法の実施に関して、提携医療機関から随時指導・助言を受けられること。
  • 4… 運動療法実施に係る1回毎の施設利用料金が10,000円以内に設定されていること。
  • 5… 健康運動指導士の他に健康運動実践指導者(非常勤可)が配置されていること。

※令和4年4月1日に実施された健康増進施設の普及に向けた改正により、指定要件の見直しがされ、1回当たりの施設利用料金5,000円以内の設定を1回10,000円以内までに引き上がりました

3.医療費控除の手続き

利用者は確定申告の際、税務署に施設利用料金の領収書とあわせて「運動療法実施証明書」を提出する。
運動療法実施証明書は施設が作成し、運動療法処方箋を発行した医師が内容を確認の上、署名・捺印する。

Flow of Medical Expense Deduction Procedures 指定運動療法施設における運動療法に係る医療費控除手続のフロー

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